行動心理を活用したDM制作で反応率をあげる

中小企業では予算と人的リソースに余裕がなく、時間と手間のかかるコンテンツマーケティングを導入するのは難しい。

しかし資金と人的リソース・ブランド力においても大企業とは対等に戦うことのできない中小企業だからこそ、コンテンツマーケティングが強力な武器となります。

マーケティングにはありとあらゆる手法がありますが、その1つに消費者の心理傾向を踏まえ、効率的に顧客の行動を促す心理手法がよく使われています。
その最も身近なコンテンツがDMのキャッチコピーやティーザー広告。

デジタル化が進む今でも本の需要が高いように、紙媒体であるDMやチラシも主要な広告媒体としていまだに高い人気を保っています。

行動心理の知識があれば、DM・チラシ・ニュースレターなどあらゆる紙媒体において、どのような言葉選びをすると人が動くのかがわかる・・・そして人が動けば反応率だって変わります。

シロクマのことは絶対に考えないで下さい

これは1987年に心理学者ダニエル・ウェグナーが行った実験です。シロクマの映像を見せた後に3つのグループにそれぞれ、次のように伝えました。

グループAに
「シロクマのことを覚えておくように」

グループBに
「シロクマのことを考えても考えなくてもいい」

グループCに
「シロクマのことは絶対に考えないように」

1年後、最もシロクマの映像の内容を覚えていたのは、グループCの「考えないで下さい」と言われた人たちでした。

これは考えるなと言われるほど考えてしまうという「皮肉過程理論」という行動心理現象のこと。
覚えなくていいものを覚えてしまうという確かに皮肉な行動心理です。

人が目、耳から受け取る「言葉」には時によって、私達の行動や意思決定を促すような行動心理学のトリックが隠されていることがあります。

なぜ行動心理学をDMに活用するのか?

もちろん、行動心理学を知らなくても、もちろん反応率は上がります。
どんどん大量のDMを作成して、大量にABテストを繰り返せばいい。
しかし時間と予算、人材に限りがある中小企業に果たしてそれができるでしょうか?!

どの業界においても競合他社のひしめく中を戦っていくには、どうすれば反応率が良くなるのか明確に理解し、論理的に計画をしていく力が私達には必要です。

そこで役立つのが行動心理学なのです。

行動心理学とは、アメリカの心理学者 ジョン・ワトソンが提唱したもので、一般的な心理学とは異なり、人間の行動を観察、研究して、その心理を読み取り、分析してマーケティングへのアプローチを可能にすること。

学術的なカテゴリーとしては行動主義心理学、行動分析学がありますが、行動心理学は、この学問を参考にしつつ、ビジネスに活かす試みとして捉えられています。

社会は人間の意思によって動き、動かされ、動いているものばかりです。
商品・サービスを提供するのも人間であれば、それを購入・利用するのもまた人間です。

人間の購買行動についてアプローチするマーケティングにおいて、人間の行動に関して科学的に考えていくことは大切なこと。

人がどのような時にどのように行動するのかを把握し、自分たちが得たい結果に誘導するために行動心理を役立てるのです。

成功しているマーケティングには必ずといっていいほど行動心理を利用した戦略が隠されており、この知識を少しだけ持って活かしていくことが重要だと言えます。

言葉からストーリーさえも創り出すことができる

私がピアノの前に座るとみんながドッと笑った。でも引き始めると・・

これは「ピアノコピー」と呼ばれ、ジョン・ケーブルスが音楽学校の通信講座勧誘のために書いたもの、広告業界では知らない人はいない有名なコピーです。

何と書かれたのは1920年代。
なのにこのコピーは100年近くもの間、何度も模倣され、使われ続けている不朽の名作なのです。

これは本書でもご紹介したツァイガルニク効果を使用しているのですが、大切なのは、この短いコピーにはストーリーがあるということ。

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何をしてもドジばかりしている冴えない彼。
そんな彼がステージ上にあるピアノの前に座ると観客席は大笑いします。

「あいつにピアノなんて弾けるわけない」
「きっと失敗するさ」

とバカにし始めます。

でもその彼がピアノを弾き始めると・・・

観客席は静まり返り、人々はまるで魔法にかかったように彼の演奏に聞き入り、もう誰も笑う人はいません。

彼が弾き終わった瞬間、観客席からは会場が割れんばかりの拍手喝采が沸き起こりました。

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何も書かなくとも、あの一文から、こんなストーリーが想像できませんか?!

私達、人間はこのようなV字回復ストーリーに反応するようにできています。
日常生活に問題が発生し、どん底へ落ちる、逆境を乗り越え成功し、見返してやったぞと優越感に浸り、気分が高揚する。

現実の世界で自分がそうなるのは嫌だけど、ストーリーの中で自分に置き換えることを私達は好みます。

そして主人公に共感した後はその続きが気になり、ストーリーに引き込まれてしまいます。

彼女がステージに立って、これから私は歌を歌うと言うと皆が笑った。でも彼女が歌い始めると・・・英国のシンデレラストーリー、シンガー スーザン・ボイルの物語です。

私がダイエットをすると言うと「え?お前が?」と主人が笑った。でもジムに行って3ヶ月・・・ライザップのCMもこれに当てはまりますね。

このコピーはどんな業界でも応用が効きます。
こうした効果実証済みのコピーを取り入れてみるのも1つの方法です。

お悩みは何ですか?

さて今回は、DMに活用できる行動心理をご紹介してきました。

各種理論に興味を持って頂くと同時にマーケティング 活用へのポテンシャルをお感じ頂けたでしょうか!?

しかし実際にこれらの行動心理を使って実務に落とし 込むとなると、どこから始めればいいのかわからない・・・とお思いの方も多いのではないでしょうか。

まずは皆様のお悩みは何ですか!?

・ダイレクトメールを送っても反応が悪い・売上につながらない
・そもそもDMの作成の仕方がわからない
・DM全体の統一感がなくてなかなか納得のいくものが作れない

反応が悪い理由の1つにやはり見てもらえていないということがあります。
とにかくDMは見てもらわなければ意味がありません。

まずはキャンペーン企画の商品・サービスに沿ったKeyとなるビジョンが定まっていらっしゃらないのかもしれません。

顧客にどのような行動をとって欲しいのか、目的をしっかりと絞って、そこから購買行動プロセスに基づいたツールに展開していくこと。

反応が悪い場合には、なぜ見てもらえないのか、何が原因なのかをきちんと分析すること。

顧客が心惹かれる文章内容なのか・・・
レイアウトがみづらくなかったか・・・
デザインが内容と合っていなかったのか・・・

そこから行動心理を当てはめていくとわかりやすいかと思います。

まとめ

7日間無料で試せます/まもなく50%オフ終了/その疲れの原因は枕かも

こんなコピーを見たことありませんか?!

無料で試せるのなら・・・損失の恐怖が解消する
まもなくセールが終わってしまう・・・今逃すと損する
正しい枕を使えば得する・・・このままだと損な気がする

これが私達がつい買ってしまう、行動してしまう「損失回避の法則」と言われるものです。

人は無意識に得をすることよりも損をすることを回避しようとする、損をすることが怖いと思う生き物なのです。

利益を得られる状況では利益を逃がすリスク(損失)を回避しようとする。
損失を被る状況ではリスクを追ってでも損失を回避しようとする。
損得が分かれる状況では利益を得ることよりも損失を被ることが怖い。

これらは人が物を選ぶ判断基準に影響を与えているのです。
ですから相手がどんなことを損失と見なすのかを知ることでマーケティングに活かしていくことができます。

反応率に伸び悩むのはご利用になってる販促ツールが間違っているかも・・・

ぜひ、お困りのことがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。